北八ヶ岳・天狗岳登山
4月からマナスル山荘・本館のマネージャーを務めます山口です。
1月18日〜19日の週末を利用して北八ヶ岳・天狗岳に登ってきました。
コースは渋ノ湯に車を止めて黒百合平に建つ黒百合ヒュッテで宿泊、翌日に天狗岳を登って下山。ごく一般的な入門コースなので冬山初心者も同行して雪山のピークハントとは別に黒百合ヒュッテの夜を楽しもうとの計画です。
天候的には土曜の夜に上空の気圧の谷が通過して冬型の気圧配置になるので、土曜日午後の雲の湧き具合、気圧の谷通過時の降雪、翌日曜日の冬型の影響が課題でした。
地上天気図も等圧線が混んで冬型が強いのがわかります。
2日間の天候はどうだったかというと、18日は晴れ、気温も高く風もありません。アウターなしで黒百合ヒュッテまで歩けました。夜は消灯前頃から雪が降り始めたようですが、朝までに10cm程度の積雪で登山に問題なし。19日朝の黒百合ヒュッテ玄関の温度計は−20℃でした。上空の気圧の谷が−30℃以下の寒気を伴っていたので一気に冷え込んだようです。19日は晴れてはいますが黒百合ヒュッテ付近でも時折突風が吹き、この後の天狗岳山頂では登山中ずっと冷たい風に叩かれました。
行動終了後は薪ストーブで温まった黒百合ヒュッテで酒宴の始まり。
この日のおつまみは「手作りチャーシューの白髪ねぎ和え」「カニ・ポテ・ビーンズサラダ」と参加者が持ち寄った乾き物あれこれ。
またまた料理の写真は撮り損ねましたが美味しく楽しい宴会は夕食まで続き、その後も消灯時間まで楽しく過ごしました。
この登山、もう一つ目的がありました。
冬季営業している山小屋の様子を探ること。
マナスル山荘本館も通年で営業する山小屋、特に冬も営業する貴重な山小屋の一つです。冬季も大勢のお客様の対応をする黒百合ヒュッテはベンチマークに最適。週末とはいえ満室になるほどの登山者を限られたスペースと設備、スタッフでこなすスタイルはとても勉強になりました。とても居心地の良い山小屋ですね。
黒百合ヒュッテでおいしいお酒を飲みながら思考が収束し、
「山小屋の建つ環境とそこを訪れる登山者の求めるものが一致したとき、それ以上のサービスがあると感動が生まれる」
との考えに至りました。
冬の山小屋でストーブに当たりながらまったりとした時間を過ごしたいというし初心者3名を黒百合ヒュッテに残し天狗岳へのアタック開始。
昨シーズンより始めた冬山も回数を重ねついに冬の八ヶ岳のピークに立てるくらいにメンバーもレベルアップしてきました。
黒百合ヒュッテに戻り登頂祝いのケーキと山小屋のラーメンで昼食。
西天狗岳からも白い頂の入笠山を望むことができました。
来年の冬は入笠山というフィールドで楽しむ登山者が求めるものを期待以上に提供し感動していただけるように頑張ります。
楽しい仲間と居心地のいい山小屋、美味しいお酒、風が強いながらも晴天の雪山登山ができた大満足の2日間でした。