これでいいのか学校登山(9/7)
入笠山の山小屋、マナスル山荘本館の山口です。
【お知らせ】
今週末9/8〜9/13はマナスル登山隊・番外編のため休館になります。ランチ、宿泊ともにお休みとなりますのでよろしくお願いいたします。
予報は雨でしたが雲は多いものの山は晴れました。
山頂でタイムプラス動画の撮影、ちょっと面白いかも!
さて、本題。学校登山を取り上げると閲覧数も増えて批判的なコメントも多いのですが、私のブログですから思うところを書こうと思います。
今日の小学生の学校登山、ちょっとひどかった。大声で叫ぶ声や怒鳴るような登山者とのあいさつ。たぶん一人がやると周りがどんどんエスカレートしてひどくなっていくのでしょう。公道を周りの迷惑を考えずにエンジンの空ぶかしで騒がしく走り回る輩と同じ。さらに、山頂にはゴミが散乱していました。朝にはなかったので今日の登山者が捨てた昼食のゴミ。小学生が捨てたかどうかはわかりませんが、本当にひどかった。
そして一件の電話。都内の小学校からですが「80人で登って、下山したら山荘でソフトクリームを購入したい」との内容。「どのような主旨で?」と尋ねると「山に登ったご褒美に」との返事。これを聞いてあきれてしまいました。学校の野外教育の場で入笠山はご褒美がないと登れない山ですか?
登山に児童を引率する学校の先生方はもう一度考えてほしいと思います。小学生に安易な達成感は必要ないと思います。入笠山の登山でソフトやジュースといった安易なご褒美も。アプローチが手軽ながら、豊かな自然が残り、素晴らしい景観の楽しめる入笠山は、登山そのものが児童にとってのご褒美ではないでしょうか?登山を通して自然を楽しむ野外教育が何でできないのでしょうか?
電話をしてきた先生にその話をしたところ「それができればいいんですけどね」とまるで他人事のような返事。「あなた教育者でしょ?」とつい声を荒らげてしまいました。
入笠山に年間に数回訪れる親子山学校の子供たち。「登ったらご褒美にソフトが食べられるよ」なんて活動はしていません。親子で山に向かい合って自然の素晴らしさや怖さを真剣に学んでいます。下山してきた子供たちは、山をたっぷり楽しんだと言わんばかりの素敵な笑顔をしています。
うまく伝えられないもどかしさはありますが、山を舞台にした教育現場の実態はかなり酷いものです。
朝は撮影を始めた途端にカメラのバッテリー切れ。ガスが迫ってきてなかなかいい絵が撮れると思ったのに残念。
最後はコハダのサービスショット

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
今夜から明日にかけては強い雨が降り続きそうです。
私は地元の小学校の出身です。昔はゴンドラもなく、長い距離を学校から山頂まで黙々と歩いたのを、思い出します。その学校登山、地元だったら大変残念に思います。
Djohnさま
コメントありがとうございます。
ゴンドラで簡単に登れるから楽・・・という先生の感覚なんでしょうね。
地元の学校はまだいいと思います。また、信州には県の山案内人がいるので学校登山には同行させてほしいと思っています。
酷いのは首都圏からの小学校です。
山口信吉
確かに「山に登ったご褒美に」って違和感を感じますね。
嫌なことをやったから、その見返りにみたいな感じです。
それに恐らくロープウェイで上がってから歩くなら、大したことがない距離ですし。
ブルーさま
コメントありがとうございます。
すべての学校がそうではないし、山好きな先生がマナーやルールと同時に自然の豊かさや楽しさを教えている姿を見ることがあります。
でもそれはほんの一握りの学校と先生、残念ですが。
山口信吉
大自然の山中でもワイワイガヤガヤと騒ぐ子供たち。街中での日常生活が想像できます。
ソフトクリームの「ご褒美」の一件から想像できるのは家庭と学校の責任分担の馴れ合いかもしれません。これはちょっと過激な私見ですが、この子供たちには、ワイワイガヤガヤ騒げないぐらい息のあがる、もっと厳しい山歩きが必要なのかもしれませんね。