今日考えたこと・・・雑感(4/9)

入笠山の山小屋、マナスル山荘本館の山口です。

令和2年4月7日、政府は、7都府県を対象区域(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県)とする緊急事態宣言を行いました。

県外を対象とする緊急事態宣言がなされたことを受けた知事メッセージ(PDF:417KB)

長野県も日ごとに感染者数が増え、山の上にいても県民の不安が高まっているように感じます。長野県も対象区域の都府県の往来を自粛するようにと書かれています。

感染拡大を防ぐために、医療崩壊を防ぎ、経済的被害を軽減するためにもこのタイミングでの登山や旅行は控えるべきでしょう。対象区域の地域からはもちろん、周辺で感染者が増えている地域の方も。

しかしここ数日、フェイスブックやツイッターでは登山に出かけてる人を責め立てるような投稿も目立ち、この界隈も殺伐としてきました。この状況はいったい何を目指しているのでしょうか?ちょっと成り行きを見守っていたのですが、批判や反論ではなくて私の意見として、気になることを書かせていただきます。

ハイキングしていた人が凍ったトレイルで足を滑らせて怪我をし、救助を要請したのです。そのハイカーは病院で怪我の治療を受けましたが、その後、コロナ検査で陽性と判断され、救助に関わった救助隊員、ヘリのパイロット、救急救命士の全てが二週間の隔離を余儀なくされ、救助隊の機能が著しく低下。これを契機に、国立公園の閉鎖に進んで行くことになったのです。

カナダでのコロナ禍|カナダにおける国立公園閉鎖を踏まえたひとつの提言

最近、山関係者がシェアするこの投稿。「だから山に行くな」的に引用されることが多いと思います。

長野県は観光県であり、山岳県でもあります。ここは県知事が登山に対しての方向性をきちんと伝えるべきだと思います。不要不急の外出が自粛なら、登山はNGです。が、適度な郊外での運動となれば近所の登山はOKとなります。つまり、どう判断していいのかわからないということ。今回の宣言や対象都府県の首長も、登山や旅行の是非は明確に発信していません。長野県知事だからこそ言える登山者の今のあるべき姿を、できるだけ明確に要請していただきたいと思います。

2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができます。

新型コロナウイルス感染症対策本部(第27回)

私は、宣言が行われた日から2週間はすべての登山愛好者が山に行くのを控えるべきと考えています。2週間というのは、上記の総理の発表から。2週間で終わりということではなく、国民一人一人が行動を変え、事態を見守ることが求められていると解釈しています。

では、2週間後に登山は再開できるか?・・・NOいや、Neverでしょう。この期間の人々の行動変容で状況が好転するかもしれませんが。

2週間以上GWの連休まで旅行や登山を自粛することで、医療機関の崩壊が防げたり、感染減少の兆しが見えてくれば登山もそろそろいいかなといった空気感が出てくると思います。しかし緊急事態宣言が解除されて、自由に登山ができるようになるでしょうか?好きな場所に自由に移動できるようになるでしょうか?

カナダの国立公園閉鎖は登山者から見ればショッキングですが、これを登山禁止的に発信したり、受け止めたりするなら、登山再開はワクチンが流通し、人口のほとんどが接種するまで待たなくてはいけません。つまり。新型コロナを完全に終息できなければ山には登れないということです。

都岳連「登山者の皆様へ コロナウィルス感染予防のためのお願い」は4月5日発表、日本山岳会「大都市圏の会員の皆さまへ—新型コロナウイルスの対応について」は4月1日発表。登山界をまとめていく人たちの、新型コロナ感染症への姿勢を表明するのは、ちょっと遅すぎませんか。しかも内容は一般的なもので、メッセージ性もあまりありませんでした。

では、これを伝えることで登山者はいつから登山が再開できるのでしょうか?どのようなプロセスで登山が再開されるのでしょうか?それを踏まえて、我々はいつから営業が再開できるのでしょうか?

この議論が全く山岳関係者から伝わってきません。

登山界の重鎮のみなさんや山小屋関係者の皆さんはこの状況をどのように感じ、指導していくのでしょうか?今年の夏山シーズンは例年通り登れますか?いえ、山小屋は宿泊者数の受け入れ制限をし、グループでの登山の禁止、人混みが生まれるような山頂の人数制限などは、今年の夏山シーズンも今の自粛ムードは避けられないと懸念しています。入山者が少なければ、山の遭難は減るのでしょうけど。

そのうえでの各山小屋の判断なのか、地方自治体の判断なのか。何だか山の上にもコロナ禍が広がってきているようです。ここまで書いてきて、我が山荘のGW〜それ以降の営業判断が見えてきました。明日には関係各所に連絡して、皆様にお伝えしたいと思います。

・前提として自治体が出している情報に従い、基本、外出を控える(山やクライミングに行かない)こと
・自分に優しくすること。空き時間を有効に使おうというのは自分を追い込むことになります。のんびりいきましょう。
・ 他人の行動や判断(例えばこの状況で山に行く)に対し、発言・発信するのは控えること。自分の意見はもってもよいですが、他人に発言するときは慎重に。
・自分が山に行ったり、クライミングに行ったりしたことをSNS等に投稿することは控えること。 自分ではそのつもりがなくても、それによって自粛している人の心を乱す可能性があります。

カナダでのコロナ禍|カナダにおける国立公園閉鎖を踏まえたひとつの提言

↑の投稿で理解すべきはこの部分です。犯人探しや魔女狩りではない。正しい情報とそれによる判断。諏訪エリアでも感染者が増えていて、どう見られているか?を気にしない訳にはいかなくなってきました

山小屋の支配人や管理人ではない、山小屋経営者として言わずにいられなかった。今の状況は「そのうち山に行けるようになりますよ」ではないこと。経営者として、山で営業する施設として。山をこれからどう考えるかを問われていることを。

あまりまとまりのないことを書かせていただきました。一日中、答えのない思考が頭を駆け巡っています。早急に答えは出せません、もう少し考えたいと思います。

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今日考えたこと・・・雑感(4/9)” に対して9件のコメントがあります。

  1. トーサキ より:

    おっしゃるとおりで、ここ1月だけ我慢すりゃいいって話じゃ決してないと思います。
    その上で、コロナと共存する状態で許容できる登山やクライミングのあり方を作っていかないといけないと思います。

    別に登山やクライミングだけじゃなくて、サイクリングやゴルフとかの趣味も同じだと思いますが。

    おそらくワクチン開発できるまで1年はかかるだろうと言われている中、それでも山小屋の皆さんには頑張っていただきたく思っているわけで、個人的には感染の恐れが少ないテント泊での料金を値上げしていいと思いますし(オートキャンプ場に比べて山小屋のテント泊安すぎ)、大部屋から個室へといった設備の変化もあっていいように思います。

    むしろ、我々の山小屋ではこういう対策をしているので、きてくださいと言って欲しいし、個人の山行をSNSで制限する必要もないのではぐらいに思ってはいます。(個人的には)

    1. yamaguchi より:

      コメントありがとうございます。
      とてもうれしく読ませていただきました。

      思いだけが先行してしまい、わかりにくいお話になってしまい申し訳ありません。
      コロナの感染がある状況で私たちは何をできるのか。
      これだけは常に発信していきたいと思います。

      ありがとうございました。

  2. 登山大好き より:

    私も登山が大好きです。
    暖かくなってきて、登山に行きたいとワクワクとする気持ち分かります。
    けれど医療現場はかなり切迫してきています。コロナ患者さんに対する高度な医療を行う病院は、地域の救急対応を行うことも多い病院がほとんどです。しかし、今はコロナ患者さんへの治療が優先であり、救急対応を中止しなければ、病院がまわらなくなってきています。
    例えば、登山中に不運にも骨折してしまった、胸痛があった、持病が悪化したなどがあった場合も、すぐに対応できる病院が見つからず、タライ回しとなってしまう可能性も最悪あります。
    自分は大丈夫、ではなく、1人1人の行動が自分の命、誰かの命を守ります。
    対応や自粛など、とても難しい問題であり、すぐには答えがでないことですね。
    山に行く時には、どこの山へでかけでも山小屋の皆さんに、美味しいごはんと温かい布団を提供していただき、いつも感謝しています。私が安全な山行を行えるのも、山小屋の皆さんのおかげであると思います。
    私は山は逃げない、今はまた山に安全に楽しく登れる日に向けてがんばろうと励んで看護を行っています。
    一日でも早くコロナが終焉し、山で会えるのを楽しみにしています。
    長文となりましたが、読んでいただけたら幸いです。ありがとうございました。

  3. 初心者 より:

    東京都山岳連盟やYAMAPの代表の言葉など、いろいろ目を通してみましたが、要は「不特定多数の人との接触がダメ」と言っているようですね。
    裏を読めば、自家用車でソロあるいは家族のみで山に入り、山小屋や人が多数集まるような施設を利用しさえしなければ問題は無い、と言っているようにさえ読めます。……時節を考えればワガママな読解なのでしょうが。

    とはいえ、国もジョギングなどの運動を推奨しているぐらいですから、登山がいけないわけがないです。登山の形態を考慮すれば問題ないですよね。

  4. 匿名 より:

    Facebookでシェアさせていただきました。
    ダメな場合はお知らせ下さい。
    登山ならいいかな、って思いもしましたが、やはりダメですね!

  5. 匿名 より:

    私は登山が好きで昨年長野に移住してきました。しかし持病の再発による治療と、台風、悪天候で昨年はほぼ登れず、今年こそと思っていたらこの事態で心底ガッカリしています。治療のこともあり、長野にいられるのは今年いっぱいと考えています。また無理して来年まで住み続けたところで、来年元気でいられる保証もない状況です。夏山シーズンが「禁止」になるようであれば、長野に来た意味が本当になかった。来なければよかった。山なんか好きにならなければよかった。と感じてしまう今日この頃です。長々と失礼しました。コロナと登山に関する記事をネットサーフィンしていましたが、初めてこの様な切り込んだ内容の投稿を見て、ありがたく感じて思わずコメントしてしまいました。コロナと共存した登山の在り方が模索されることを望んでいます。

  6. kouta n より:

    初めて投稿させていただきます。
    私も 色々な山のコミュに投稿されてる そちらが心配されてる記事を読んで
    違和感を持ち
    ある種のスケープゴードにされ おかしなベクトルで進んでることにとても危惧してます。

    記憶に新しい 東日本大震災の時なども この手の話は頻繁にシェアされ
    別の意図を持った形で拡散されてることをとても悼みました。

    たまたま イタリアの政府関係者で日本に在住してる知人がいますので
    事の真理を調べていただきましたが その様な記事は見当たらず
    そもそも 誰かが規制を破って山に入った為に 感染を起こしたわけではなく
    単純に 関係者の感染したという話
    これを態々持ち出すところが 違和感があり
    カナダのお話も 精査してみましたが
    出所は 割と知ってる方も多いこちら
    https://3pomichi.com/3533
    ですね

    でも 当該のサイトを見ると こちら
    https://www.pc.gc.ca/en/pn-np/ab/banff

    重要な速報でも その掲載がありませんでした
    確かに 結構前の記載には それらしい話もありましたが
    こちらも そもそも アメリカとカナダは 国立公園は職員の完成予防から
    日本のそれらと同じように 結構前から「閉鎖」されてます。

    私の住む神奈川でも ビジターセンターや
    多くの国の出先機関でも 県の施設も「閉鎖」されてるわけで
    登山者の不道徳な言動が それを招いてるわけではなく あくまでも予防的な見地からの
    安全策にすぎません

    フェイスブックの登山にまつわる グループにも 何度もシェアされてますが
    他のコロナに関するシェアと同じように
    出所と現実が 調べにくい「海外の事案」が多く
    緊張感を高め 自制を促す・・・という目的よりも

    シェアするという事が目的化し
    それを見た者が 伝言ゲームの様に伝えることで 関連性の薄い話が拡大し強調され
    全く本筋から 離れていくような
    彼の大戦前の新聞報道の様な危惧を抱いてしまいます。

    もちろん 早期の終息には心から願うところであります。

  7. かとう より:

    主人が今日も何処かの山に行きました。家族は医療関係者 主人は公務員ですが、自覚がなく、時間と蜜を考えれば良いといいます。私は もしもあなたが保菌したら私達にも感染る。そうしたら病院にも患者にも感染のリスクが大きいから 我慢してと何度も言いますが 夜中に出ていきました。
    信頼度なしです。
    皆さん どう思いますか?

  8. かとう より:

    追伸
    在住神奈川県
    山梨 長野方面の山です。
    車で移動しています。

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