夏山の乱(5/11)

「入笠山の山小屋、マナスル山荘」改め、「入笠山のホテル マナスル」の山口です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

5月16日より期間限定で「ホテル マナスル」を営業いたします。いまのところ長野県在住者の一組限定で、ご宿泊の一組以外の方は一切山荘施設のご利用ができません。とにかく、移動リスクが一番の問題(感染ではなく、人の目や批判)なので、ご予約の際は十分にご検討ください。

ホテル マナスル(マナスル貸し切り)宿泊プラン

「5/7長野県の対応」に基づいた営業スタイルです。

話は変わって

週末に某山岳医療関係団体が発表した「基本知識(計画と準備編)」なる資料。登山再開に何を求めているのか全く不明、これでは山小屋どころか下界のホテルだってそうそう泊まれるところはないレベルの話。拡散するといけないのでリンクは貼りません。

この資料を実践できる山小屋はありませんから、今年の夏は営業できる山小屋はありません。これを読んだ山小屋経営者はどのように判断しますか?この資料を読んだ登山者は、設備が整わない山小屋が営業するのと、その山小屋を利用する登山者に猛烈な批判を浴びせますよ。

パチンコは並んでる人にパチンコをやらない人が「やめろ」と叫んでいるので、まだ健全な世界。登山界はこの夏は登山者が登山者を批判・非難する異常な世界になりますね。コロナが収束しても今まで通りにはなりません。

私は勝手に「令和2年の夏山の乱」と呼ぶことにしています。

登山界はまったくめちゃくちゃな世界になってしまいました。登山者が登山者を非難し、登山界をリードする山の雑誌等のメディア、山岳団体、トップクライマー、主要山小屋従業員たちがこぞってオピニオンリーダーとなってしまい集団意思決定を導いてしまった。コロナが収束し、山に登れるようになってもこのギスギスした登山者同士の関係は元に戻らないと思っています。

緊急事態宣言の延長に関して

2020年5月7日  日本サーフィン連盟

「日本サーフィン連盟」からのお知らせを読みましたか?この中の「サーファー」を「登山者」、「海」を「山」と置き換えて十分ではないかと思える内容。登山界はこんな話も許されないくらいの集団になってしまたのではないか。その後も、登山団体からは何も発表や声明がないがどう考えているんだろうか?

4月25日の阿弥陀岳の滑落事故。こんな時期に山に登ってとか、救助隊員が感染疑いなどと散々叩かれたあの山岳遭難事故。翌日に大町管内で山菜取りの道迷い山岳遭難が発生しているがここには何も批判や非難がない。山菜取りの道迷いでは地元消防団も出動しているが、前日の「感染の恐れ」を踏まえて感染症対策したのだろうか?していなければ阿弥陀の「感染したらどうするのか」的な報道やオピニオンリーダーたちのコメントは集団的統一意思決定に過ぎず、ただ登山を止めさせるためだけの威圧行為である。しかも、阿弥陀の事故では「ピッケル、アイゼン不携行」の報道を見ました。この登山者の不備はここだが、まったく登山界からはコメントされない。ここを検証しなければ山の遭難は減らないと思います。

例えば、少なくとも登山の再開は「ガイド登山」から始めたらと思っています。日本山岳ガイド協会がエリアや登山の再開ルールなどを定めて、ガイド登山を誘導していくのが山のガイドに資格を発行する協会の本来仕事だと思いますが。

(重要)本事務連絡は,5月4日(月)に決定された「新型インフルエンザ等緊急事態
宣言」の延長と外出の自粛、催物の開催制限、施設の使用制限等の内容に係る事項につ
いて周知するものです。関係者に周知願います。

スポーツ庁政策課
5月4日に決定された「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」の延長等について

先の「日本サーフィン連盟」のお知らせは、スポーツ庁の連絡を受けての対応だが、登山主要4団体にはこの連絡は伝わっていないのだろうか?

山小屋からのコメントも管理人や支配人クラスのコメントばかりで、経営者(つまり山小屋を持っている事業責任者)からのコメントはあまりにも少ない。これを書くと長くなるので、別に書こうと思う。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

改めて伝えるますが、私は山小屋従業員、山岳ガイド、山岳救助隊員の経験のうえで、長野県在住の長野県に事業所を持つ山小屋経営者としてここに書いています。フェイスブックやツイッターには主旨が正しく受け取られない恐れがあるので、この山荘のブログとして伝えています。

Follow me!


夏山の乱(5/11)” に対して8件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    全くその通り、何だか変な方の強弁が原因かと思います

  2. ニャスケ より:

    登山をやめさせるための威圧行為、全くその通り大いに共感します。今のこの風潮では近所の裏山に行く事でさえ悪人扱いされかねません。まだまだ半年、1年と今の状態が続きかねないのに我慢しましょうなどと言っていられますか、阿弥陀の件もおっしゃる通りアイゼン ピッケル無しでまだ雪多い山に入る事が問題であってその事を検証しない愚かさを感じます。この件はあの野口健さんが名前を公表した方がいいなどと極悪犯人の如く言っていたのにはおどろきました。尊敬していたが一気に引きましたね。今時殺人犯でさえ名前がなかなか出ない事だってあるのにそれ以上悪い扱いですからね。とは言え滑落 遭難の可能性が高い剣岳などは避けるべきで、スキルのある人が危険箇所の無い日帰りの一般道を歩くぐらいいいじゃないですか。

  3. ひだい より:

    阿弥陀の遭難がアイゼン、ピッケルなしとは、これは事実でしょうか。文脈からして事実なのでしょう。健康維持のための登山は、行ってもいいのに、連日続く自粛要請で、行く気が起きません。恐竜ではないですが、人間が自ら首を締めていると思っています。この記事は自分の考えを補強してくださる、記事だと思いました。

  4. 匿名 より:

    この記事には賛同できるところが多いです。
    山の情報交換サイトもギスギスして、それがつらいです。
    緊急事態宣言が解除されれば、自粛を続けたい人は続ければいいし、安全を確保して登りたい人は登る、という選択を認め合う環境になればいいと思うのですが…。
    山は逃げない、と言いますが、いつ登れなくなるか分からない年代の方々にとっては、長い自粛は筋力低下を招き、山をやめざるを得ない状況になり、結果的に山(に登れる体)を失ってしまうことになりますね…

  5. 匿名 より:

    いったい何がどうなっているのか、どうなっていくのか、疑問ばかりです。
    もしできるのならば登山団体関係の方や山小屋経営者の方にインタビューしてもらえませんか?

  6. ジョアンエリス より:

    「いつ登れなくなるか分からない年代の方々にとっては、長い自粛は筋力低下を招き、山をやめざるを得ない状況になり」とありますが、環境保全のために山岳地帯のオーヴァーユースを防ぐ意味でも、登山者・ハイカーが総人数で減少するのは良いことだと感じます。
     実際に、太平洋戦争中に漁業に出る回数が減り、水産資源はかなり回復したとのこと。人間の活動が低減することにより、自然の回復が進む側面は確実にあります。資源管理の必要度が高い里山と、赤石山脈の尾根や谷を同一視するのは間違いかと。一方で、現在の状況が続くことは山岳自然環境に対してなるべくローインパクトで共存しながら生活している現地の方々にとって、経済的に厳しいことには変わりないでしょう。山口さんがご提言されているガイド登山も含め、資格制度や入山料などなんらかの抑制手段が求められているのだと思います。

  7. 匿名 より:

    同意です。自粛は自らすすんで取り止めることなので、寄付することと似た意味合いと思います。だから、他人が自粛してなかろうが、口出しするものではないはず。寄付しない人を非難しないように。
    感染リスクの高い行動をする人は叩かれても仕方ないとは思いますが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次の記事

平時の異常(5/15)