映画「春を背負って」を観てきました

4月からマナスル山荘本館のマネージャー&料理長を務めます山口です。

明後日8日にマナスル山荘本館へ入り、GW前に新装開店させるための積雪状況、備品・食料品のストック状況を確認してきます。現在持ち上げる荷物づくりで床いっぱいに衣類が広がって収拾がつかない状況、80リットルのザックに衣類を片っ端から詰めています。

そう、間もなく山小屋の生活が始まるのです。常駐は今月20日からを予定しています。今年50歳になりますが、人生の再スタートですね。不安あり、楽しみありですが、どちらかというとワクワク感が優ってます。

そんなタイミングで映画「春を背負って」の試写会の招待券が当たり昨夜鑑賞してきました。3000mの北アルプスの山小屋の生活が舞台とあって今の自分にピッタリ当てはまります。

春を背負って

写真は『春を背負って』公式サイトより

監督の木村大作さんは雪山の山岳大量遭難を描いた映画『八甲田山』のキャメラマン。前作は5年前の『剣岳 点の記』。いずれも山の上にカメラを据えてロケを行ったので山のシーンが迫力満点。今回も北アルプスの山々をたっぷり拝ませていただきました。大きなスクリーンに山岳風景が映し出されると山の名前を周りの観客に教えたくなってしまいます。

公開はまだ3か月も先の6月14日(土)なので、ストーリーは詳しくお話ししませんが、映画はいかにも山小屋らしい山小屋の生活感がけっこう的確に描かれていて面白く観ることができました。

山小屋は基本的に宿泊施設ですから、お客様(=登山者)を泊めて宿泊料をいただく、昼食やお土産を販売して代金をいただくというのが経営の基盤となります。やはり儲けがないと経営を続けることはできません。

また山小屋が建つ立地的な条件として緊急事態(=遭難)に対応しなければいけないということがほぼ必然的に求められます。町では警察や消防に任せればいいことがある程度の割合で(警察や消防からも)要求されることになります。遭難者に一番近いところにいますからね。

  • 生計を立てるための仕事の場所としての山小屋(=事業)
  • 山を守り維持するための管理としての山小屋(=行政)

この二つの顔のほかにもう一つ、自分の暮らしの部分が山小屋にはあります(=生活)。そう、山小屋には自分の家という側面もあるのですね。この時間が町での生活では味わえない特別な時間。

そう、自分の山小屋の周りはすべて自分の庭、足元から広がるこの雄大な景色を毎日眺めてお茶を飲む、ご飯を食べる、本を読む・・・。そんな贅沢な時間が山小屋には存在します。

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このあたりでまとめなくては・・・何が言いたいのかというと、この『春を背負って』という映画、この3つのシーンがバランス良く配置されています。特に3つ目の【山小屋での生活】の何気ないシーンがいいですね。私も北アルプスの山小屋で20代、30代を過ごしましたが、その時々が思い出されるシーンや人物がたくさん描かれていました。山小屋での生活に興味のある方は必見です、ぜひ劇場でご覧になってください。

山小屋の仕事をこの3つ目の特別な時間だけと勘違いして山小屋の仕事に入ってくる方が時々います。これは完全な間違い。もちろん眼下に広がる雄大な山並みを眺めながらお茶を飲むゆったりとした時間はありますが、事業・行政・生活それぞれがすべて詰め込まれているのが山小屋。町での生活ができない方は山では暮らせません。

「山小屋は都市機能が詰め込まれている一つの町」というようなことを三俣山荘の伊藤正一さんから聞いたことがあります。

住民(=登山者)が安心して豊かに暮らせる活気のある街づくり(=山小屋づくり)をマナスル山荘本館も4月よりスタートします。

※タイトル背景は映画と関係ありません

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